クリスマスのメッセージ



 

 クリスマスおめでとうございます

イエス・キリストの御降誕が12月25日に祝われるようになったのには、実は歴史的な経緯があります。もともと太陽を神と崇めるヨーロッパでは、「冬至祭」というものが盛大に祝われていたそうです。一年のうちでいちばん昼が短くなる冬至を境に、また次第に日が長くなっていく。それを古代の人たちは、太陽の神さまがいったん死んで、また新たに生まれ変わる‥と捉え、12月25日にこの「冬至祭」を祝っていました。特に寒い地方では、日がのび始めることは自然からの大きな贈り物と思えたのでしょう。AD.313年、時のローマ皇帝コンスタンティヌス帝がキリスト教を国の宗教とした時、「これからは12月25日は〈真の太陽であるキリスト〉の誕生を祝う日にする」と宣言しました。

そんなことから、クリスマスに飾る色々な物も、この「冬至祭」つながりの物が少なくありません。例えばクリスマスツリーやクリスマスリースなども、もとは冬至祭に飾られた常緑樹であるもみの木やヒイラギです。人間の目から見ると、主の降誕をこの季節に祝うようになったのはまさに〈人間の側の事情〉ですが、それも違う見方をするならば『神のわざ』に他ならないと言えるでしょう。なぜなら世界中を見渡せば、様々な国で季節に関係なくこの時、イエス・キリストの誕生が祝われているのですから。よく考えればそのことは実はものすごいことなわけで、イエス・キリストというお方がこの世にお生まれになったことが、人類の歴史にどれほど影響を与えたか、そして「わたし」という個人にとっても、それがどれほど大きな影響を与えているか、改めて思いを馳せざるを得ません。

日本では寒さが増してくるこの時、また一年が終わりに近づいたこの時に、救い主がこの世に来られたことを祝うのは、やはり大きな意味があると感じます。暖かな、希望に満ちた、そして何よりも救いの大きなメッセージを、沢山の方々と分かち合うことができるからです。

今年もクリスマスの喜びを、一人でも多くの方々にお伝えしたいと思います。

カトリック百合ヶ丘教会主任司祭

  鈴木 真 神父

 


「ゆりがおか」のトップページへ戻る